通訳現場あるある:「聞き間違いを防ぐ工夫」
- dojitsuyakucom
- 5月27日
- 読了時間: 2分
~その一語を、正確に届けるために~
同時通訳や逐次通訳の現場では、一瞬の聞き違いが意味のズレに直結します。特に、固有名詞や数字、略語などは聞き間違いやすく、通訳者にとっては非常に神経を使うポイントです。
では、プロの通訳者たちはどのような工夫で「聞き間違い」を防いでいるのでしょうか。今回は、現場で日々実践されている工夫をご紹介します。
事前準備がすべてを決める
通訳者は現場に入る前に、関連資料をできる限り読み込みます。登壇者のプロフィール、業界特有の用語、略語、製品名や組織名など、出てきそうな単語をリストアップしておくことは必須です。
例えば「COP28」や「WTO」などの略語が出てくることが予想される場合、それぞれの意味・背景・正しい発音を確認しておきます。
話の流れから“先読み”する
通訳は、単に聞こえた言葉を訳すだけではなく、話の流れを理解しながら、次に来る内容を予測しつつ訳しています。
この「先読み」があることで、仮に音声が一瞬聞き取りにくかった場合でも、文脈から正確な訳に落とし込むことが可能になります。
数字と固有名詞には特別な注意を払う
「2040年」と「2014年」では意味が大きく異なります。逐次通訳では特に、数字や名前を素早くメモする技術が求められます。経験豊富な通訳者ほど、自分なりの略記法や記号を活用し、正確に情報を記録しています。
不明瞭な部分は、あえて確認する
どれだけ熟練した通訳者でも、すべてを完璧に聞き取れるとは限りません。発言が不明瞭だったり、内容に曖昧さがあるときは、逐次通訳であれば「確認」を入れる判断をすることもあります。それは、「伝える責任」を重視しているからこその判断です。
聞き違いを防ぐことは、信頼を守ること
通訳の仕事は、単なる言語変換ではありません。話し手と聞き手の間に立ち、情報の正確性と信頼性を担保する、重要な役割を担っています。一語一句に注意を払いながら訳出する通訳者の努力が、円滑な国際コミュニケーションを支えているのです。
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