top of page

通訳現場あるある(プロ意識編)

同時通訳や逐次通訳の現場には、外から見えにくい「プロとしてのこだわり」が存在します。通訳者はただ言葉を置き換えるだけでなく、会議やイベント全体の理解を支え、国際コミュニケーションの品質を保つ役割を担っています。

今回は、そんな通訳者の「プロ意識あるある」をいくつか紹介します。


“分からなかった単語”をそのままにしない

会議が終わったあと、通訳者がまず確認するのは「今日出てきた固有名詞・略語・専門用語」。分からなかった言葉を調べ、次に備えるのはほぼ全員共通です。

表には出ない努力ですが、実は通訳品質の土台になっています。


スピーカーの癖を一瞬で見抜く

通訳者は発話スタイルの分析が早い職業です。

  • 結論先行型か説明先行型か

  • 例え話を多用するか

  • 話が構造的か、感覚的か

これを序盤で見抜くことで、処理の負荷を下げています。これもプロとしての技術です。


声量・音質・マイク位置に敏感

通訳者の世界では「聞こえなければ訳せない」は基本原則。

そのため、会議の開始前には

  • マイク位置

  • 音量

  • 残響

  • ハウリング

  • 通信状態(オンライン通訳)

などを細かくチェックします。

実は音響や通信の問題が通訳品質に与える影響は想像より大きいのです。


事前資料は“読み物”ではなく“地図”

通訳における資料は“理解を助ける地図”。通訳者はスライドをただ読むだけではなく:

  • 用語リスト化

  • 用語の対訳作成

  • 背景調査

  • 登壇者の過去発言の確認などを行います。

当日の流れを予測できるかどうかは、この段階で決まります。


数字・固有名詞・略語は“鬼門”であり“快感”

プロの通訳者にとって、数字・略語・固有名詞は最も注意が必要な領域。これらを正確に処理できた瞬間は、小さな達成感があります。

特にオンライン通訳では数値が聞き取りづらいことが多く、集中力の勝負でもあります。


仲間意識が強い

通訳は一見個人技のようで、実はチーム戦です。同時通訳では2名以上で交代しますし、お互いにサポートを入れる場面もあります。

現場ではよく「さっきの固有名詞、聞こえた?」と確認し合う光景が見られます。

この連帯感が現場の安定を支えています。


まとめ

通訳者は言語のプロであると同時に、音響・運営・背景理解・専門知識・チームワークといった多面的な能力を組み合わせて仕事をしています。

通訳の仕事は“言葉の処理”ではなく、“コミュニケーションの成立”に向けた専門職なのです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
通訳現場あるある(司会者編)

〜司会のひと工夫で、通訳はここまで変わる〜 同時通訳や逐次通訳が入る会議では、実は 司会者の役割がとても重要 です。通訳者の力量だけでなく、進行の仕方ひとつで、会議の分かりやすさは大きく変わります。 今回は、通訳現場でよくある「司会者あるある」をご紹介します。 「では、どうぞ」で突然始まる 通訳者にとって少し緊張する瞬間があります。 司会者が何の前触れもなく「では、どうぞ」と登壇者に振るパターンで

 
 
 
通訳現場あるある(機材編)

〜同時通訳は“声”だけでは成り立たない〜 同時通訳というと、通訳者の語学力や瞬発力に注目が集まりがちです。しかし実際の現場では、 機材と音響環境が品質の半分を決める と言っても過言ではありません。 今回は、通訳現場でよくある“機材あるある”をご紹介します。 「音が悪いと、すべてが難しくなる」 同時通訳の原則はシンプルです。 聞こえなければ、訳せない。 マイクが遠い、会場が反響している、ノイズが混じ

 
 
 
通訳現場あるある(自治体編)

〜行政案件ならではの空気感〜 企業の商談とは少し違い、自治体主催の国際会議や海外ミッション、行政視察の現場には独特の“あるある”があります。同時通訳・逐次通訳の現場でよく見られる、自治体案件ならではの光景をご紹介します。 「公式な一言」に全神経が集中する 自治体案件では、首長や幹部の発言に“公式性”があります。 ・表現が強すぎないか・ニュアンスが変わらないか・外交的に問題がないか 通訳者は単に意味

 
 
 

コメント


お問い合わせ

無料見積もり、ご相談は右記のフォームより

お問い合わせください。

150-0043

東京都渋谷区道玄坂1-16-6 二葉ビル8b

  • X
  • スレッド
  • Instagram

メッセージが送信されました。

bottom of page